人と自然に育まれた原点
どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください
── 出身地はどちらですか?ご家族はどんな方々でしたか?幼少期の想い出を教えてください
私は筑波山の見えるのどかな地で育ちました。男3人兄弟(長男)で幼少期は泥んこになって遊んだりカブトムシを捕まえたり木登りをしたり自然の中でのびのびと過ごしました。父親も同じ福祉の仕事をしており、日常の中で施設の行事に連れて行ってもらった経験は、今振り返ると自分の価値観の土台になっていると思います。学生時代は中学・高校と剣道部に所属し、文武両道を目指して鍛錬を積みました。剣道を通して「体の軸」や「心の軸」が養われ、その後の人生でも大きな支えになっています。
学生時代について詳しくお聞かせください
── 学生時代はどのように過ごしていましたか?学生時代の想い出を教えてください
大学は仙台の福祉系の学校に進学しました。キャンプカウンセラーのサークルに所属し、松島の野外活動センターで小学生や子ども会のキャンプを手伝う活動をしていました。2年次に部長を任せられサークル組織をまとめる大変さはありましたが、皆でテントを設営し、夏は泊まり込みで過ごし、同じ釜の飯を食べた仲間同士で深い絆ができました。福祉を学ぶ傍ら、生涯の友との出会いはかけがえのない財産として今でも心の支えになっています。一人暮らしを通し、人と関わり、支え合う喜びを実感できた学生生活でした。
社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います
── 会社を任されることになった背景や、その時の気持ちを教えてください
社会人最初はボランティアをしていた重症心身障害者の方が通う施設でした。3月半ばに(非常勤でどう?)と声をかけてもらい時給800円からのスタートでした。2年間でしたが利用者の方々との心を通わせる中で、どんなに重い障害を抱えていても地域で生きるということを教えてもらった事は私の原点になっています。その後地元の茨城に戻り障害者支援施設の支援員2年を経て清郷会に入社。障害者支援施設の新規立ち上げに携わり17年間支援員(相談支援員兼務)として多くの方々との出会い・利用者と共に過ごした時間は今でも経営心得の礎になっています。
地域と共に育つ福祉
企業名に込めた想い・由来を教えてください
法人名「清郷会」は祖母である 清ばぁちゃんと 祖父の郷平さんにちなんで名づけられました。初代理事長の郷平さんの土地・資産を使い法人が出来た経緯もあるため、私にとっては「家族の歴史」と「地域のつながり」を象徴する存在です。名前に恥じない活動を続けることが自分に課せられた責任だと感じています。
事業を始めるきっかけについて教えてください
── 継承時に「変えたくないこと」と「新たに取り組みたかったこと」は何ですか?
これまでの事業展開は計画的というより自然発生的であり人情的なものでした。認知症になった母親の為に老人ホームを作る、市内に保育園が足りないから作る、地域ニーズに根差した結果として拡充していったのです。今後も富里市を拠点として時代と共に変われる体質と法人の歴史を継承しつつ変わらないために変わり続ける法人像を目指していきます。
事業に込めた想いについて教えてください
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
福祉というと「特別なことをしている」と思われがちですが、私はありのままでなるべく特別扱いされない存在でありたいと思っています。地域の方々と共に作る地域共生社会の実現を目指した施設エリアの共有(散歩道、子供達の拠り所、コミュニティ形成、防災拠点、動物共生など)を次期施設を立ち上げる際には取り入れ、新たなコミュニティを築いていきたいと思います。

現場経験が支える経営力
趣味・特技について伺います
── 趣味や特技に関してのエピソードがあれば教えてください。また、趣味や特技が仕事に活かされているなと感じたことはありますか?
学生時代の一人暮らしでの自炊とラーメン屋でのアルバイトの経験から料理が好きになり、今でも週4日位は作っています。思い描いた味が形になるのは楽しいです。共通しますがモノづくりを通して「モノの仕組み」を理解するのが好きで、車やバイクなど自分のできる範囲で直しています。施設の修繕なども業者任せにせず自分で直すことも経験してきました。何でも興味・関心を持てることが自分らしい特技だと思っています。
経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
私はもともと穏やかな性格なので、人の意見を受け入れる姿勢を大切にしています。経営者として全てを自分で判断するのではなく、他の施設長や職員の声をしっかりと聞き、一緒に前へ進むスタイルです。これが法人としての一体感を生み、組織を強くしていると思います。「自分だけのやり方」ではなく「みんなの力で作る経営」が、自分らしさの表れです。
ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?また、特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
約20年の現場経験と相談支援事業での多くの方との出会いがあったからこそ、利用者や職員の声を中長期計画に反映することができます。制度上の仕組みだけではなく「相手の気持ちを汲み取る」ことができるのが自分の強みです。また、社会福祉経営者協議会に所属し多くの仲間と学んだことで、理念を浸透させる仕組みや、本部機能の整備にも力を入れてきました。その結果、業務の集約化、拠点間の連携が強まり法人全体の成長につながっています。
未来へ挑む地域福祉
これから先の会社としての成長について伺います
── いま、会社を経営するにあたって難しいと感じている課題など「壁」はありますか?また、会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
富里市は人口約5万人、高齢化が進み若者は緩やかに減少していきますが、その中でも「地元で働きたい人が清郷会で働ける環境」を整えていくことが重要と考えています。一人一人の持ち味を活かした働き方、70代・80代でも活躍できる場、児童サービス、在宅支援、重症心身の方への支援体制など拡充していく方針です。
これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
今後、取り組みたい事は地域共生社会の一つとして「人と福祉と動物」です(我が家でも猫8匹・犬2匹を飼っています)。ケアマネや相談支援の現場から挙がってくる高齢独居の方のペット問題など地域の問題として対応できる仕組みを作っていきたい。富里市には県内唯一の動物愛護センターがあるため、人も動物も共に生きる地域社会を福祉の力で後押ししていきたいです。
経営の信念と事業の展望について伺います
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?その信念を事業運営にどう反映させていますか?
禅の教えの中に、すべての物事と向き合うときに「の」の心を持つこと。「と」の心で見ないようにすることとあります。私と清郷会ではなく「私の清郷会」という気持ちを持ち、職員一人ひとりが自分事として主体的に関わってくれることが理想です。それがエンゲージメント経営につながり、法人組織全体の力を高めると信じています。

一人じゃない。共に歩む仲間がいる
このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
就職活動の中で、今の自分が全てだと思わなくて大丈夫です。人との出会いを大切にし、多くの人の話を聞きながら、自分なりの道を見つけてください。清郷会は「同じ屋根の下のファミリー」です。悩んだときも、後ろを振り返れば299人の仲間が必ずいます。一人で抱え込まず、仲間と一緒に歩んでいける職場でありたい。皆さんと出会えることを楽しみにしています。
