―夢に向かって挑み続ける原点― 幼少期から続く「まっすぐな情熱」
どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください
── 出身地はどちらですか?ご家族はどんな方々でしたか?幼少期の想い出を教えてください
私は埼玉県の白岡町(現在の白岡市)で育ちました。周囲は田んぼが広がるのどかな環境で、校庭の上を東北新幹線が走るという、少し変わった小学校に通っていました。今でこそ「珍しいね」と言われますが、私にとってはそれが日常でした。
3人兄弟の末っ子で、兄とは年が離れていたため、一緒に遊んだ記憶は少ないです。ただ、兄たちも私もサッカーをしていたので、スポーツを通じた心のつながりはあったように思います。兄たちはとても上手く、地域でも有名な存在でした。一方、私はそこまで得意ではなく、正直、劣等感を抱えながら育った時期もあります。でも、今振り返ると、家族には本当に大切にされていたなと思うんです。末っ子らしく、甘やかされていたんだなと。
強く記憶に残っているのが、小さな庭で父と兄が遊んでいるのを、家の中からヤクルト片手に眺めていた光景です。当時、鶏が怖くて、じょうろにタオルをかぶせて鶏の形に見せては私をからかうのが恒例でした。怖かったけれど、今思えば微笑ましい家族の一場面ですね。
学生時代について詳しくお聞かせください
── 学生時代はどのように過ごしていましたか?学生時代の想い出を教えてください
高校時代は、埼玉の実家から都内の高校に通っていました。通学に時間がかかる中、夜はスーパーやJAの出荷工場、ホームセンターなどでアルバイトもしていました。JAの工場では、地元名産の梨を扱っており、夏になると若者が集まる“出会いの場”にもなっていました。
大学時代で特に印象に残っているのが、ニトリの物流倉庫の立ち上げに関わったことです。新設されたばかりの白岡の拠点で、社員同等に現場を回しながら、業者手配や棚配置の最適化などにも関わりました。当時のニトリ会長(当時社長)も現場に顔を出してくださり、私たちアルバイトにも積極的に声をかけてくれたのを覚えています。そんな大企業の黎明期を現場で経験できたのは、大きな財産です。
実は私は就職活動はしていません。大学3年の頃、家業の手伝いを始めたことで大学を中退。その後、塾講師の派遣アルバイトをしていた際に、現WITS創業者と出会いました。その出会いが今に繋がる転機でした。
社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います
── 会社を任されることになった背景や、その時の気持ちを教えてください
創業者であり、私にとっての恩人でもある前社長が、ある日突然交通事故で亡くなりました。私自身もちょうどその時、大きな病気が見つかり休職中だったのですが、「次の代表は近藤しかいない」と周囲の役員や社員たちから言われ、自分の意思とは関係なく流れが決まっていくような感覚でした。
当時の私は、「もう長く生きられないかもしれない」と思っていたので、逆に「だからこそ挑戦できる」と思えたのかもしれません。社員の前で「長くても5年。その間にすべてを出し切って、会社を未来に繋げる」と宣言しました。あの瞬間、自分の中で覚悟が決まりました。
家族からは反対もされましたが、ここまで導いてくれた創業者や社員たちへの感謝が、私を前に進めさせました。
―名前に込めた信念と想い― 1歩先の未来をつくる「WITS」の原動力
企業名に込めた想い・由来を教えてください
「WITS」は、英単語「WIT(知恵・機転)」の複数形です。
たくさんの知恵と発想が集まり、それを持ち寄って世の中を良くしていく。そんな願いを込めて、創業者が名付けました。
ひとりの天才に頼るのではなく、多様な人のアイデアや視点を組み合わせて、チームとして価値を生み出す。これこそが私たちが目指す組織の在り方です。
事業を始めるきっかけについて教えてください
── 前任者が掲げていた理念や価値観について、どのように感じましたか?継承時に「変えたくないこと」と「新たに取り組みたかったこと」は何ですか?
創業者が掲げていた理念は「世の中をよくする」というシンプルで力強いものでした。私はこの言葉以上に優れた理念を思いつくことができなかったので、会社を継いだ後もその理念を一切変えることなく引き継いでいます。
一方で、変えるべきは“仕組み”だと考えました。具体的には、社員の給与体系や評価制度を見直し、業界最高水準に引き上げること。理念を掲げるだけでなく、それを実現するための手段として、待遇改善や効率化、適正配置など、経営の中身にメスを入れていきました。
事業に込めた想いについて教えてください
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
私の使命は、「ITTO個別指導学院」をはじめとする、NOVAホールディングスの塾ブランドが日本一になることに全力を尽くすことです。
それは、単に教室数が日本一であるという意味ではありません。もっと本質的なところ── すなわち「学力の成果」と「生徒・保護者の満足度」、この両方を高いレベルで実現してこそ、真の意味でのNo.1であると考えています。
学習塾は、言ってしまえば教育サービス業です。つまり、勉強を教えるだけではなく、子どもたちの人生そのものに関わる重要な仕事だと私は思っています。だからこそ、「子どもが楽しいと感じる指導」「自然と成績が上がっていく仕組み」この両立にこだわりたいんです。
そのために、指導内容や講師の研修制度、教室運営の質まで、あらゆる部分を日々磨き続けています。教育にこれで完璧というゴールはないからこそ、改善と工夫の積み重ねが必要なんです。うまくいかないこともありますが、「どうすればもっと良くできるか」を考え続けることが、結果的に子どもたちへの信頼につながっていくのだと感じています。
そしてこの想いは、単に生徒や保護者に向けたものだけではありません。社員にとっても、ここで働くことが誇りになるようにしたい。子どもたちの成長に関われる喜びを感じながら、社員自身も成長できる。そんな環境づくりを通して、「この仕事って面白いな」と思える瞬間を、社員にも届けたいと強く願っています。
教育は、教える人の人間力によって大きく左右されます。だからこそ、WITSの社員一人ひとりが、魅力ある大人として子どもたちの前に立てるよう、会社としての成長と人材育成を両立していくことが、私の描く事業の未来です。

―個性を活かす経営のかたち― 自分らしさが、会社のチカラになる
趣味・特技について伺います
── 趣味や特技が仕事に活かされているなと感じたことはありますか?
実は「これが自分の趣味・特技です」とはっきり言えるタイプではありません。ただ、人を見ること、人に興味を持つことは昔から得意だったように思います。サッカーをやっていた時も、目立つポジションではなく、仲間のプレーを見ながら「どう動けば活かせるか」を考えるタイプでした。
この人を見る力は、今の仕事にも直結しています。特に私は「面白い人が集まる会社」をつくりたいと思っていて、それがWITSという会社の社風づくりの核でもあります。
学習塾でも、「成績が上がらないから」よりも「つまらないから」辞めてしまう子の方が多い。これは会社にも通じる話です。仕事がいくら安定していても、周りに面白い人がいなければ、続けたいとは思えません。だから私は、「会社が面白い」のではなく、「そこにいる人が面白い」状態を目指しています。
そのために、社員一人ひとりが誰かにとって面白い存在であること。これをすごく大事にしています。面白さは、技術や肩書きではなく、その人の視点や感性、生き方から滲み出るもの。だから、そういう個性が自然と発揮されるような職場にしたいと思っています。
趣味として人と話すことが好きだったり、人の魅力を見つけることに喜びを感じる私にとって、こうした社風づくりは「自分の特技を活かせている」と心から思える取り組みです。
経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
自分の強みを一言で表すなら、「決断力」だと思います。
特に、やらないことを決める力は、経営においてとても重要です。やることを増やすのは簡単ですが、やらないことを明確にして、選択と集中ができるかどうかで、会社の方向性は大きく変わってきます。
また、「人を信じて任せる」ことも、私らしさの一つです。私は、自分ひとりの力で会社を動かそうとは思っていません。むしろ、自分が前に出すぎず、社員一人ひとりの得意なことが自然と発揮されるような環境をつくることの方が大切だと考えています。だからこそ、経営ではチームを意識しています。
能力のある人材を見極め、その人が気持ちよく力を発揮できる仕組みを整える。これは、学生時代のサッカー経験も影響していると思います。自分がゴールを決めるタイプではなく、仲間が活躍できるように動く── それが自分のスタイルでした。
社員に対しても、「自分らしく、のびのびと働いてほしい」という思いがあります。そのために、無理に社長の型に合わせるのではなく、一人ひとりの個性や想いに寄り添いながら組織をつくるようにしています。
つまり、私の「自分らしさ」は、自分を主役にせず、周囲を主役にすること。そのための決断、信頼、任せる勇気── これらが、今の私の経営スタイルを支えていると感じています。
ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?また、特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
私が「これは自分だからこそやりきれた」と思っているのは、社員の給与体系改革です。
教育業界、とりわけ学習塾業界は、「やりがいはあるけれど給与が低い」と言われがちです。でも私は、「やりがいがあるから我慢する」という働き方を変えたかった。むしろ、誇れる仕事でありながら、誇れる給与も得られる── そんな業界に変えていきたいと本気で思いました。
だから私は、会社の利益が出てから給料を上げるのではなく、「先に給与を上げて、結果を出す責任と信頼を社員に預ける」という順序を選びました。これには当然、周囲からも反対がありました。でも、私は人を信じて任せることが経営者の本質だと考えているので、迷わず実行しました。
結果として、社員たちは想像以上に応えてくれました。数字だけでなく、「自分の仕事に誇りを持てるようになった」という声を聞いたとき、この決断は間違っていなかったと確信しました。
また、WITSでは「人が面白い会社をつくる」という文化を大切にしています。
例えば、教室の中で講師がただ勉強を教えるのではなく、「この先生と話すのが楽しい」「あの先生みたいになりたい」と思われるような存在になることを目指しています。社員にも同じです。「この会社で働いている自分がちょっと好きになれる」── そんな状態を、制度面・文化面の両方から支えていきたいと考えています。
そういった取り組みのすべてに共通しているのが、「理念を掲げるだけでなく、実現するために動くこと」。これは、私が代表として最も大切にしているスタンスであり、強みでもあります。
―社会とともに成長する企業でありたい― 信念を胸に、未来へ挑む
これから先の会社としての成長について伺います
── いま、会社を経営するにあたって難しいと感じている課題など「壁」はありますか?また、会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
私たちは今、「日本一の学習塾フランチャイズ」という目標に向けて、本格的な拡大フェーズに突入しています。教室数、売上、認知度── あらゆる面で上を目指す中で、日々新しい挑戦と向き合っています。
ただ、成長の中で一番の壁だと感じているのは、「理念と規模の両立」です。会社が大きくなればなるほど、現場の温度感や創業時からの想いが薄れてしまうことがあります。私はそれを絶対に避けたい。だから、数だけを追うのではなく、「なぜこの事業をしているのか」「この会社は誰のためにあるのか」を、常に社員と共有し続ける努力をしています。
もう一つの壁は、仕組みの進化です。たとえば教室運営や人材育成、評価制度といったものも、スケールに応じてアップデートしなければいけません。昔うまくいったやり方が、今では通用しないという場面も増えてきました。私たちはベンチャーではなくなりつつあります。その中で、成長スピードを落とさずに、仕組みを強化し、理念を守り抜く── これは非常に難易度の高い課題です。
ですが、私はそれを壁で終わらせたくありません。会社が大きくなるほど、社員にとっての「挑戦の場」は広がります。ポジションも役割も、自ら手を挙げて掴みにいける。そういう意味では、今こそが一番ワクワクするフェーズだと思っています。
「もっと成長したい」「もっと大きな仕事をしてみたい」── そんな思いを持つ人にとって、WITSはまさにいまがチャンスの会社です。だから私は、会社の拡大をただの目標にせず、「人が育ち、夢が叶うステージ」として成長させていきたいと考えています。
これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
私は、「教育を通じて日本の少子化に歯止めをかける」ことを、経営者としての使命だと考えています。
もちろん、塾が直接的に出生率を上げるわけではありません。でも、この国で子どもを育てたい思える社会、この国に生まれてよかったと思える未来── そんな希望を子どもたちに届けることは、教育の力で十分にできると信じています。
今の日本は、「将来が不安」「大人になっても楽しそうじゃない」といった空気が若者にも子どもにも漂っています。そんな中で私たちができることは、大人が本気で生きている姿を見せることです。先生たちがイキイキと働き、笑いながら努力している姿を見せること。それを目の前で見た子どもたちは、未来に希望を持てるようになります。
私は、塾を成績を上げる場所にとどめたくありません。
塾は、「人生って悪くないかも」と思えるきっかけになる場であってほしい。
勉強を通じて努力の意味を知り、先生たちとの関わりの中で人と人との面白さを知る。そうした体験が、やがて社会全体の希望につながっていくと信じています。
そしてもうひとつ。私たちは、働く社員の「家族」にも視野を広げています。
教育業界に誇りを持ち、しっかり稼ぎ、家庭を持ち、子育てを楽しむ。
そんなロールモデルが増えれば、若者たちは結婚や子育てっていいかもと思えるようになるはずです。
つまり、私たちの社会貢献とは、目の前の子どもたちだけでなく、未来の家族にまで届くものだと考えています。
塾という事業を通じて、「人が希望を持てる社会づくり」にこれからも本気で取り組んでいきます。
経営の信念と事業の展望について伺います
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?その信念を事業運営にどう反映させていますか?また、事業の展望について、これから先の事業をどのように拡大・運営していきたいか教えてください
私の経営の信念は、とてもシンプルです。
「人が幸せにならないと意味がない」── これに尽きます。
だからこそ、社員が「この仕事を誇りに思えること」、そして「ちゃんと報われること」には絶対にこだわっています。
そのために私は、「給与を先に上げる」という、業界では非常識かもしれない決断をしました。
一般的には、利益が出てから社員に還元するのが筋かもしれません。
でも私は、先に給与を上げて、その分“働く誇り”と“責任”を社員に預けた方が、人は本気になれると思っています。
実際、WITSの社員たちはその期待に全力で応えてくれています。
もうひとつ、私が経営する上で譲れないのは「理念を変えないこと」です。
創業者が掲げた『世の中を良くする』という理念。この言葉以上に強いメッセージはないと思っているので、社長になった今も、この理念は一文字も変えていません。
ただし、理念を掲げるだけでは意味がありません。それを現実に落とし込む仕組みは、常に進化させてきました。給与制度、評価の透明性、教室運営のマニュアル、人材育成の設計── こうした実務面の徹底こそが、理念を本物にする鍵だと思っています。
今後の展望としては、「日本一の学習塾フランチャイズ」を本気で目指しています。
教室数、質、知名度、どの面でも日本一を掲げるには、覚悟と行動力が必要です。
でも私は、そのビジョンを口にすることが大切だと思っています。なぜなら、社員にも、学生にも、保護者にも、「この会社は本気で未来を描いてるんだ」と思ってもらえるからです。
そして、会社が成長することで、もっと多くの人にチャンスを届けられるようになります。
社員には新しい役職や仕事の舞台を。生徒にはより多様な学びを。保護者には安心と信頼を。
成長とは、「選択肢を広げること」だと思うんです。
だから私はこれからも、「理念は変えず、仕組みは進化させ、未来は大きく描く」── この姿勢で、WITSを次のステージへと導いていきます。

―未来の仲間へのメッセージ― 一緒に勢いをつくろう
このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
WITSでは、いわゆる能力が高い人が活躍しているわけではありません。
どちらかと言えば、「自分を変えたい」「このまま終わりたくない」── そんな想いを持った人が、本当に大きく成長していきます。
私たちは、学歴や経験では判断しません。
むしろ、「何をしたかより、何をしたいか」「過去の実績より、これからの決意」を大事にしています。だから、今の自分に自信が持てない人でも全然構わないんです。大切なのは、一歩踏み出す勇気を持っているかどうか。
この会社では、努力を笑う人はいません。むしろ、どんなに不器用でも、挑戦し続ける人にこそ、心からの拍手を送ります。
私たちがつくりたいのは、ただの学習塾ではありません。
「教育を通じて、日本の未来をもっと良くする会社」です。
子どもたちの笑顔や成長のそばで、自分の人生も一緒に育てていく── そんな生き方ができる場所です。
入社してくれる皆さんには、私の夢を一緒に叶えてもらいたいと思っています。
その代わり、あなたの夢もWITSで実現してほしい。
だから私はこう言いたいんです。
「あなたの夢、ここで叶えてください。私の夢も一緒に背負ってくれるなら── 全力で応援します。」
