悔しさから生まれた反骨心と、あなたならできると承認された経験が重なって代表になる決意をしました。
どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください
── ご家族はどんな方々でしたか?幼少期の想い出を教えてください
昔からいくつかあだ名がありました。大槻なので「オーちゃん」や名前から「とも」と呼ばれることが多かったです。実はそれに加えてもう一つ長年にわたりついたあだ名がありました。それは「会長の息子」です。父は社労士事務所を経営する傍らPTA会長という役を何年にもわたり努めていました。だから、小学校から10年以上は「会長の息子」と呼ばれてたんです。
学生時代について詳しくお聞かせください 
── 学生時代はどのように過ごしていましたか?学生時代の想い出を教えてください
学生時代は自己肯定感がとんでもなく低い少年でした。それは何をやっても「会長の息子だから」がついて回ったんです。野球部で試合に出た時も、テストで良い点が取れた時も、何かやり遂げるたびに周りからは「会長の息子だから」と言われ、承認されるのは自分自身ではなく、会長の息子だったからです。そのまま10代を過ごし大学生になりました。だから学生時代は何かに熱中することもなく、バイトに明け暮れていました。バイト先では「会長の息子」じゃなかったので楽しかったんだと思います。今思えば、就職活動の軸もちょっとふざけてましたね。
社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います 
── 会社を任されることになった背景や、その時の気持ちを教えてください
就職活動の時は、「とにかく楽しく働きたい」という軸で一般企業に入るつもりで動いていました。
元々は百貨店に就職する予定だったのですが、直前になって兄が「事務所を継がないからお前がやれ」と言われ、気づいたら親の会社に入社していました。
当時は正直「自分が継ぐ」という意識はゼロ。全然覚悟もなかったです。ただ流れで入ったというのが正直なところです。
経営者のシェルパになる。日本中の会社がビジョンを実現したら日本はすごい世の中になる。
企業名に込めた想い・由来を教えてください
事務所名は、「大槻」という名前に+で単なる手続き代行ではなく、経営者の視点に立って労務を支え、企業の成長に寄り添う存在でありたい。そんな思いをを込めて「経営労務管理事務所」と名付けています。
事業を始めるきっかけについて教えてください 
── 前任者が掲げていた理念や価値観について、どのように感じましたか?
最初は言われて入社しただけでしたが、青年会議所に入って、多くの経営者と関わる中で「自分も経営をやりたい」という気持ちが生まれました。
2016年に代表に就任した時は、まず業績回復を目指しました。売上5億を10億にしたのも、ただ数字を伸ばすためじゃなくて、父のようにゼロから作ったわけじゃない自分が「認められるため」という部分が大きかったかと思います。幼少期から「親のおかげ」と言われ続けてきた劣等感が大きくて、それを跳ね返したかったという思いがありました。
周りから「バカなこと言うな」と思われても、自分自身を証明するために挑戦・有言実行を果たしました。
事業に込めた想いについて教えてください 
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
一番は、「みんな幸せになってほしい」ということです。会社が幸せになるのではなく、社会全体が幸せになること。
それを本気で掲げています。社員も、お客さんも、まずは「自分自身の幸せのために働く」。
その自分が幸せであればその延長でお客さんに貢献できるし、お客さんの会社の理念が実現されれば、社会も良くなっていく。
だから私は「自分の幸せを追いかけていれば、社会も良くなる」と信じているんです。すごくシンプルなんですけど、これが経営の一番の軸になっています。

自己実現するという幸せを実感できる場にしてほしい。大元に自分の幸せがなければ人を幸せにすることも社会を幸せにすることもできない。その基本として健康と家族(自分が大切にしている人)を大事にしてほしい。
趣味・特技について伺います 
── 趣味や特技に関してのエピソードがあれば教えてください。また、趣味や特技が仕事に活かされているなと感じたことはありますか?
趣味は、ゴルフと飲み会です。ただ「仕事のためにやっている」という感覚ではなく、あくまで自分が楽しんでやっている部分が大きいです。
結果的に人とのつながりが広がって、仕事につながることもあります。
休日は子どもと一緒に過ごす時間を大切にしています。社員にも家族は大切にということを伝えているので私自身もそこはかなり大切にしています。
経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください 
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
「とりあえずやる」「やると決めたらすぐにやる」「やってだめならすぐやめる」という姿勢かと思います。
誰かが「これ良かったよ」と言えば、とりあえずやってみる。無理ならやめればいいし、合うものなら続ければいい。
今の経営に活きているものの多くは、この「やってみようかな」という気持ちから始まっているものになります。
だから完璧に考え抜いてから動くというよりは、まずは一歩踏み出してみる。
それが私の経営スタイルになっていると思います。
ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います 
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?また、特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
「社労士の枠を超える」一般的な社労士は労務トラブルの円満な解決をすことが仕事の中心です。私も32歳頃まではそう思い込んでいました。ただ、その後に経験したリストラ案件が私のこれまでの固定観念をぶっ壊しました。社労士の本質はトラブル解決ではなく、そもそも発生しないために本質的な原因を事前に取り除くこと。また、トラブル回避で満足せず、企業の発展に、ビジョンの実現に向けて尽力すること。私たちの提供するサービスは労務ではなく人事、労務から経営支援に及びます。
働きやすさと好業績が両立する会社を増やし日本経済を強くする。あらゆる専門家の集団を形成しAIを活用した本質的な課題を解決する。
これから先の会社としての成長について伺います 
── いま、会社を経営するにあたって難しいと感じている課題など「壁」はありますか?また、会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
今後はホールディングス化を考えています。採用や労務、財務などを分社化して、それぞれが専門性を持ちながら全体を支える体制を作りたいです。また、東京だけでなく地方にも拠点を広げていきたいと思っており、特に中小・中堅企業の支援に力を入れたいと思っています。
ただ、正直課題は山ほどあります。営業力もまだまだ弱いし、積極的な拡大をこれまでしてこなかった分、うまくいかないことも多いです。
しかし、その分評価制度や研修内容を大きく変えてきました。変更した部分をこれからは社員全員が同じ意識を持って広げていく、そんな会社にしていきたいと思っています。
これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います 
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
一番は社会課題に挑む企業を後押しすることです。
そのために常に最新情報をアップデートしています。それは法律や人事制度だけではなく、AIやRPAのような先端技術を取り入れることも含まれます。
色々なクライアントが色々な課題解決に取り組んでいます。それを支援することにより世の中のあらゆる課題解決の一助になれると確信しています。
また、社会からのハラスメントの防止や生産性の向上のために労務コンプライアンス宣言マークや管理職検定などもすすめています。
今後はより多くン会社を支援し、働きやすい社会をつくるためにAIを活用したコンサルティングにも注力します。
経営の信念と事業の展望について伺います 
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?また、その信念を事業運営にどう反映させていますか?
譲れない信念は「譲れないものを持たないこと」かもしれません。もちろん基本的な倫理観の部分は大切ですが、価値観ややり方って時代に合わせて変わっていいと思っています。
思いついたらまずやってみるし、不要だと思ったら変えていく。逆にこだわりすぎないことが大事だと考えています。
理念や根幹は大事にしますが、それ以外は進化させていく、人も組織も時代に合わせて進化しなければならないと思います。
だから経営者として大切にしているのは「変わり続ける柔軟さ」それが、これからの会社の未来をつくるんだと思っています。

すべては自分次第。誠実に挑み、働く意味を見つける人が成長する
このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
学生と社会人の違いは「すべて自己責任」ということです。学生の間は親や学校に守られていますが、社会に出れば全部自分次第。だからこそ「何のために働くのか」という目的意識を持ってほしいんです。会社や上司のせいにしても何も変わりません。働く理由を自分で見つけられれば、どんな環境でも頑張れるし成長できる。私自身、一緒に働きたいのは「誠実な人」。誠実さがあれば失敗を恐れず挑戦できるし、信頼される人になれるからです。社会に出ると不安も多いと思いますが、誠実さと挑戦心さえあれば、必ず道は拓けます。
