業界:人材
代表取締役
森 龍一
取り組む社会課題
当社は現在、国策案件のBPOに注力していますが、この事業は労働集約型産業。多くの労働力が必要です。そのため、少子高齢化の現代では人材不足という壁が立ちはだかるでしょう。しかし、当社では採用費と人数を他社の9分の1でプロジェクトを実施できる仕組みを構築しました。人材業界で危惧されている少子高齢化問題も様々なテクノロジーを通して解決し、他社との差別化を図っていきます。
事業内容 ・人材会社向けコンサルティング
・業務受託・運営代行
・セールスプロモーション
・労働者派遣・紹介予定派遣
・有料職業紹介
・外国人労働者の就労支援
・BPO事業
・RPO事業(直接雇用の採用支援事業)
労働者派遣事業許可番号 派13-315785
有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-313815
社長になる
きっかけ
最初のキャリアは専門学校を卒業後の整備士でした。もともとバイクが好きで突っ張って乗っていた流れから整備士になったのですが、いざ就職してみると… 続きを見る
出身地 長崎県
生年月日 07/17
森 龍一イメージ
ここから始まる、常識を超えたキャリアの第一歩。未来を変えるのは、あなたのその一歩です。
目次

常識に縛られず挑戦を重ねた若き日のストーリー

どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください
── ご家族はどんな方々でしたか?幼少期の想い出を教えてください
父・母・姉の4人家族で育ち、幼稚園の頃に東京へ引っ越しました。小学生の頃はサッカーに夢中で、虫取りなど外遊びも大好きな、好奇心旺盛で元気いっぱいな子どもでした。悪気はないものの、時々先生に怒られてしまうような場面もあり、まさに「ザ・少年」といった様子でした。

また、報道カメラマンである父の影響を受け、自分もカメラマンに憧れていた時期があります。サッカーチームの試合では、自分が出ていない時にカメラを持ってチームメイトを撮影することもありました。そんな中で、やんちゃをして両親に迷惑をかけてしまうこともありましたが、それでも変わらず見守り、支えてくれた両親に対して、「親が誇れる息子でありたい」という思いが強く芽生えていきました。

社会人になってからは、その感謝を形にしたいと考えるようになり、車をプレゼントしたり、毎年両親を東京に招いて一緒に過ごす時間を大切にしたりしています。今でも家族との仲は良好で、感謝を常に行動で伝えられる関係を続けています。

学生時代について詳しくお聞かせください
── 学生時代はどのように過ごしていましたか?学生時代の想い出を教えてください
学生時代は格闘技にのめり込み、自分の価値観が大きく変わった時期でした。もともとは「格好いい」「強い」という言葉に対して単純なイメージを持っていましたが、格闘技を通じてその定義がガラッと変わり、競技としての厳しさや真剣さを知り、毎日走り込みや練習に励むようになりました。DVDやビデオを繰り返し研究し、友人の誘いを断ってまで格闘技に時間を費やすほど、本格的に打ち込んでいました。

一方で、高校時代から専門学校にかけてはコンビニやガソリンスタンドでのアルバイトも長期間続けており、責任感を持って働く経験も積みました。特にコンビニのアルバイトは4年間続け、やめることなくやり切ったことから、仕事や環境を選ぶ際の安定性や継続の重要性についても学びましたね。

このように、学生時代は格闘技での精神的・肉体的な鍛錬と、アルバイトでの実務経験の両面から、多くの学びを得た時期でした。

社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います
── 現在の業種に進むことを決めた理由や、楽しいと感じた瞬間について教えていただけますか?
最初のキャリアは専門学校を卒業後の整備士でした。もともとバイクが好きで突っ張って乗っていた流れから整備士になったのですが、いざ就職してみると、10年先輩の給料が自分と1万円程度しか変わらないことに気づき、このままでは将来に希望が持てないと感じて転職を決意しました。

次に選んだのが携帯販売の仕事です。実は当時付き合っていた彼女に良さそうな求人を探してもらい、最初に電話したのがこの仕事だったという偶然の出会いでした。かなり勢いのある会社で、面接に行ったらうまく口説かれてそのまま働くことに。(笑) 携帯販売の仕事では売り場づくりや運営管理を任される機会が多く、自分で考えて動ける楽しさを経験できました。

その後、整備士時代にツナギ姿で働いていたときに見た「スーツを着て交渉・調整する派遣会社の営業マン」の姿に憧れを抱き、次第に営業職に興味を持つようになりました。店舗に来るスーツ姿の人たちの中でも、特に派遣会社の営業が現場の調整役として活躍する姿がかっこよく見えたことが、派遣業界に飛び込む大きなきっかけとなりました。

「働く人の心を豊かにする」想いから始まった挑戦

企業名に込めた想い・由来を教えてください
企業理念には「働く人の心と心を豊かにする」という想いを込めています。社名にある「エンリッチ(Enrich)」は、「豊かにする」という意味であり、ここでいう豊かさは物質的なものだけではなく、心の豊かさを指しています。

また、会社としての報酬や評価の公平さも大切にしつつ、働く人一人ひとりの心が満たされることで、組織全体がより良い方向に進んでいく、そんな思いが社名と理念に込められています。

社名は覚えやすく親しみやすいことも大切だと思っていて、通称「エンリホ」として社員や関係者の方々が自然に愛着を持ってくれています。

事業を始めるきっかけについて教えてください
── この事業を手がけることになったきっかけや経緯はどのようなものですか?
事業を始めるにあたっては、外部環境の変化に合わせながらも、あえて他社とは逆の発想で動くことを大切にしてきました。たとえば近年の派遣業界では「同一労働・同一賃金」や派遣スタッフの待遇改善が進み、各社が価格を引き上げる方向で交渉を行っていましたが、私たちは逆に「価格を下げるから独占発注してください」という提案を行いました。

一見リスクがあるように見えますが、年間8,000万円の派遣費用を6,000万円に抑える代わりに大型案件を独占的に受けることで、全体の利益額やコーディネーターの習熟度・愛着を高め、お客様にとってもスタッフにとってもプラスになる仕組みをつくろうとしたのです。

また、コロナ禍では多くの企業がリモート体制を取る中で、私たちはあえて全員出社を選び、緊急事態宣言中に300人規模のバーベキューを開催するなど、非常識と思われるような挑戦もしてきました。結果的に、そうした逆張りの姿勢が新しい価値や事業の成長につながってきたと感じています。

そして振り返れば、当時は周囲から否定的に見られた選択が、時間が経つと正しかったと思えることも多く、目の前の常識や批判に振り回されすぎないことの大切さを学んできたと言えます。

事業に込めた想いについて教えてください
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
私たちの事業には、「働く人の心を豊かにする」という想いが根っこにあります。これは単に雇用を生むとか、待遇を良くするとか、そういう表面的なことだけではありません。働く人が自分の仕事に誇りややりがいを持てて、気持ちの面でも満たされる── そんな環境をつくりたいという気持ちです。

派遣業界って、世の中の流れに左右される部分が大きいんです。例えば、同一労働同一賃金や待遇改善の動きが進むと、業界全体はどうしても価格を上げる方向に動きます。でも私たちは、そこにただ乗っかるのではなく、「お客様や働く人にとって本当に価値があるのはどの道なのか」をいつも考えています。

実際、他社が価格を上げる中で、私たちは逆に「価格を下げる代わりに独占発注をいただく」という提案をしました。利益率は一時的に下がっても、大型案件をまとめて受けることで効率が上がり、コーディネーターの習熟度も高まる。お客様にとってもコストが抑えられ、スタッフにとっても安心して働ける環境が生まれました。目先の利益や流行に振り回されるのではなく、長期的に見て誰にとってもプラスになる仕組みをつくること── それが私たちの事業に込めた想いです。

常識を疑い、理念を軸に挑戦を選んだ起業の軌跡

趣味・特技について伺います
── 趣味や特技が仕事に活かされているなと感じたことはありますか?
格闘技は学生時代から本気で取り組んでいて、挑戦する姿勢や折れないメンタルはそこで鍛えられました。厳しい練習を続け、試合で結果を出すために自分を追い込む経験は、仕事での粘り強さややり切る力に直結しています。

一方でゴルフは、冷静さや戦略的な思考に加え、人とのつながりを深める時間でもあります。プレー中は経営者仲間や取引先の方々と自然に会話が生まれ、仕事だけでは見えない一面を知ることができる。距離感を大事にしながら信頼関係を築けるのはゴルフならではですね。

戦略的判断力と人脈づくり、この両面でゴルフは今の仕事に大きく活きています。

経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
経営者として一番大事にしているのは、企業理念を軸にした判断です。

日々の業務では、手段と目的がしばしば入れ替わります。主任にとっての目的が係長にとっての手段になり、部長の視点ではさらに別の目的になる。しかし、その連鎖の中で唯一、手段にならないものが企業理念です。

だからこそ、目先の利益や常識にとらわれず、「働く人の心を豊かにする」という目的を最上位に置き、シンプルにそこへ向かって判断を下す── それが私のスタイルです。

ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?また、特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
私の強みは、逆張りの発想とスピード感です。

コロナ禍では多くの企業がリモートに移行する中、あえて全員出社を選び、300人規模のバーベキューを開催しました。非常識と言われても、新しい価値やチームの結束を生むために必要だと思えば迷わず行動する。

また、価格戦略でも「チャージダウン」の提案を打ち出し、大型案件を集中させることで効率と利益を両立させる仕組みを実現しました。これらはすべて、常識に流されず、企業理念を軸に挑戦する姿勢から生まれた取り組みです。

逆張りの発想で業界に新しい価値を生み出す未来

これから先の会社としての成長について伺います
── いま、会社を経営するにあたって難しいと感じている課題など「壁」はありますか?また、会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
一方で課題もあります。組織が大きくなるにつれ、理念の共有や判断のスピードをどう維持するかが難しくなってきています。

事業が拡大すると、現場の意思決定が慎重になりすぎたり、挑戦よりも安定を選びがちになったりすることがあります。だからこそ、経営層だけでなく現場レベルでも企業理念を基準に自律的に判断できる組織づくりが今後のテーマだと考えています。特に若手には思い切って決裁権を与え、どんどんチャレンジできる環境をつくりたい。失敗を恐れず挑戦する経験こそが、次の成長や新しい価値を生むと信じています。

これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
私たちが本気で向き合いたいのは、働く人の「心の豊かさ」と、そこにある社会的な不均衡です。

今の日本では、雇用の安定や待遇の改善は少しずつ進んできていますが、一方で「仕事にやりがいを感じられない」「自分の成長を実感できない」「新しい挑戦のチャンスがない」という声が依然として多い。特に若い世代の中には、安定か挑戦かの二択を迫られているように感じ、結果として自分の可能性にフタをしてしまうケースが少なくありません。

私たちは派遣・人材業界の立場から、働く人が安心して挑戦できる土台をつくり、可能性を広げる機会を増やすことに貢献したいと考えています。例えば、同じ派遣の仕事であっても、ただ“働く場所を紹介する”のではなく、その先のキャリアや成長のきっかけにつながる仕事を提供する。そして、企業には新しい人材がチャレンジしやすい仕組みや文化を広め、雇用の安定と挑戦の両立を実現していきたい。

そうすることで、働く人の心が豊かになり、挑戦が当たり前にできる社会が広がれば、日本全体の活力を取り戻すことができると信じています。

経営の信念と事業の展望について伺います
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?その信念を事業運営にどう反映させていますか?
決断や判断をするときの軸にしているのは、最終的には事業や企業理念の実現に繋がるか否かです。

一般的によく言われる「手段を目的化してはいけない」という言葉がありますが、実際には目的と手段は立場や状況によって入れ替わることが多いと考えています。たとえば、主任にとっての目的が係長にとっては手段になり、係長の目的が部長にとっては手段になることもある。組織の階層が上がるにつれて、この手段と目的の関係は何度も入れ替わるのです。

しかし、どの立場から見ても手段に変わることがないものが企業理念であり、だからこそ常に「企業理念の実現」という最上位の目的を軸に判断し、事業の方向性や決断を下しています。

迷うよりも一歩踏み出す勇気が未来を切り拓く

このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
僕が伝えたいのは、ファーストキャリアって一生忘れられないくらい大事だってことです。小さい頃から何度も聞かれた「大人になったら何になるの?」っていう質問、その答えをいま自分で選ぶタイミングが来てるんですよね。

振り返ってみると、あのときの自分って“ちょっと臆病すぎたな”って思うことが結構あって。そのとき限界だと思ってたことって、後から見たら“玄関”── 新しい扉の入口だったってことがほとんどなんです。だからこそ、つまらない安全運転よりも、ワクワクする挑戦を選んでほしいなって思います。

意思決定のコツはシンプルです。

・まずは好奇心とかワクワク感をちゃんと大事にすること。
・リスクって人はだいたい過大評価しがちだから、あえて半分くらいの重みで天秤にかける。
・そして一番心が動く方を選ぶ。
僕らは常識やトレンドに流されるんじゃなくて、ときには逆張りだってするし、何よりも企業理念(働く人の心を豊かにすること)を実現するっていう一番大事な軸からぶれないようにしてます。だから、迷ってるなら軽やかに一歩踏み出してほしい。あなたの“玄関”は、きっとすぐ目の前にあります。