迷ってもいい。大事なのは、自分で選ぶこと。
どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください
── 出身地はどちらですか?出身地に関するエピソードがあれば教えてください。また、幼少期の想い出を教えてください
僕は東京生まれですが、生後すぐに茨城県の自然豊かな町に引っ越しました。小学生の頃は毎日外で鬼ごっこやムシ捕りをして駆け回り、子どもがわんさかいる活気ある地域でした。姉弟の中では末っ子で親戚中でも最年少、まさに”可愛がられキャラ”だったと思います。家では保護した犬を育てたり、その子が産んだ赤ちゃんを近所に譲ったり、動物とのふれあいが多かったですね。そうした経験から「命の大切さ」や「責任感」を自然と学びました。今も、無責任に何かを飼うことは絶対にしないと決めています。それほどまでに、子ども時代の体験は自分の価値観に影響していますね。
学生時代について詳しくお聞かせください
── 就職活動のエピソードや学生時代の想い出を教えてください
高校は進学校に通っていましたが、正直あまり勉強についていけなかった(笑)。部活も続かなかったけれど、高2の夏には「自転車で北海道まで行く」という無謀な旅を決行しました。自分を変えたかったんでしょうね。大学では色んな人との出会いがあり、バックパッカーとして世界を旅するようになりました。型にはまるのが嫌いだったので、就活でもリクルートスーツを着ずに、自分に合うスーツとネクタイで挑んだのを覚えています。軸もなく迷いながらの就職活動でしたが、「自分らしくいる」ことだけは、ずっと大切にしてきたつもりです。
社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います
── 会社を任されることになった背景や、その時の気持ちを教えてください。また、事業を任されることになってから、ご自身が取り組んだことはありますか?
最初に選んだ会社は、ネームバリューに惹かれて入った大手のグローバル企業でした。しかし、1年半で辞めました。その後、自動車関連の企業で営業を経て、結婚して子どもが生まれるタイミングで、「父が立ち上げた会社がどんなものだったのだろう?」と自然と関心を持つようになりました。当時、自分の人生における責任や社会との関わり方を真剣に考えるようになっていた時期でした。結果的に、その会社に「採用試験を受けさせてください」と電話をかけ、一般社員として入社しました。すべて、自分で選んだ道です。
アルファテックス──人を主役に、挑戦と誠実さで社会を動かす。
企業名に込めた想い・由来を教えてください
「アルファテックス」という社名には、①Aggressive(積極的に)②Lively(いきいきと)③Fresh(新鮮な気持ちで)④Advance(前進する)という意味を持つ英単語の頭文字を取った4つの想いが込められています。実は、もともとは「テクノコンピューターサービス株式会社」という社名で、不本意ながら下請け仕事が中心だった時代がありました。でも、当時の社長は「真の意味でお客様の役に立つ仕事がしたい」と強く願い、思い切って下請けを辞め、直取引一本へと舵を切ったんです。社名を変えたのは、その覚悟の表れでもあります。お客様の課題に正面から向き合い、期待を超える成果を届ける──そんな強い使命感を、アルファという言葉に重ねているんです。
事業を始めるきっかけについて教えてください
──  前任者が掲げていた理念や価値観について、どのように感じましたか?
正直、父が起業した会社にずっと興味があったわけではないんです。むしろ、創業当初はほとんど会社の話なんてしてこなかった。でも自分が社会人となり家庭を持ち、社会に対して何かを残したいと思うようになったとき、「あの会社はなぜ20年以上続いているのか?」という問いが自然と湧いてきました。それで初めて、自ら電話して「入社試験を受けさせてください」とお願いしたんです。当然、特別扱いは一切なく、未経験の分野でゼロからのスタートでした。でも、そこにある“人のために働く”という価値観に、心の底から共感できた。この事業を自分事として捉えられたことが、今の原動力になっています。
事業に込めた想いについて教えてください
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
この会社がこれまで大切にしてきた「人が主役」であるという考え方。システムやITはあくまで手段であって、それを使う人、支える人こそが価値を生み出す。「まっすぐで、ちょっと青臭いけど、誰かのために全力で頑張る」というスタンスは、今の自分にも深く根付いています。だからこそ、僕たちは「誠実さ」と「責任」をもって、一人ひとりのお客様に向き合う。お金だけじゃない、人の思いや努力がちゃんと報われる社会を実現したい。その一歩を、自分たちの事業からつくっていくことに、本気で挑戦しています。

学び続ける姿勢と、個を尊重する文化。それがアルファテックスの力。
趣味・特技について伺います
── 趣味や特技が仕事に活かされているなと感じたことはありますか?
今の趣味は、山を走ること。いわゆる「限界への挑戦」が好きなんですよね。自然の中を走っていると、頭が整理されて、仕事へのヒントがふと湧いてきたりするんです。最近ではクラシックギターにも挑戦中。音楽なんてまったくの初心者でしたが、意外とロジカルな一面があることに驚きました。何事も“原理原則”を押さえたうえで、感性を乗せるという構造は、実は仕事と同じ。そういう気づきがあるから、趣味がどんどん仕事にも生きてきます。自然や音楽から学ぶことは、本当に多いです。
経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
「自然体であること」──これが、僕の経営スタイルの軸です。人はみんな違っていて、それぞれに良さがある。だからこそ、型にはめずに、一人ひとりの個性を尊重することが大切だと思うんです。たとえば社員に対しても、「こうすべき」と押しつけるのではなく、自分の意思で考え、動けるような環境づくりを意識しています。水が高いところから低いところへ流れるように、物事は自然の流れの中でこそ力を発揮する。そんな考え方を、経営にも活かしています。
ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?また、特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
僕が心がけているのは、「否定から入らない」こと。どんな提案や意見でも、まずは受け止めてから一緒に考える。社員が安心して自分の意見を言える文化が、組織を強くすると思っています。実際、社内では若手社員がどんどんアイデアを出してきてくれて、それが新しい商品や取り組みに発展することも少なくありません。お客様への提案も、社員のひらめきから生まれることが多い。僕自身が何かを“やらせている”わけではなく、社員が自発的に動ける環境を整える──それが、経営者としての自分にできる一番の仕事だと思っています。
仕組みで人を支え、誠実さで未来を築く
これから先の会社としての成長について伺います
── いま、会社を経営するにあたって難しいと感じている課題など「壁」はありますか?また、会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
今、当社は売上の9割近くを大手企業との取引に支えられています。信頼をいただけている証ではあるものの、依存度が高いというリスクも同時に抱えています。将来的には売上規模を今の約4〜5倍にしていきたいと考えていて、そのためには「再現性」と「仕組み化」が欠かせないと感じています。
たとえば「ALFA-BASE(アルファベース)」という自社開発のサービスプラットフォーム。これは、担当者によって品質がばらつかないようにするための“ナレッジ+人の支援”を組み合わせた仕組みです。属人化せず、誰でも一定水準の成果を出せる設計になっています。業界的には「人に依存しすぎている」課題が多くあるので、そこに対する明確な答えを出していきたい。成長のために、売上以上に「質」と「仕組み」を重視しています。
これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
いま、日本社会は“人が足りない”という課題に直面しています。ただ、それに対して「人を増やす」だけでは根本的な解決にならないと思っていて、むしろ「限られた人数で成果をいかにして最大化できるか」が問われる時代です。
私たちは“業務代行”という形でお客様の事業をサポートしていますが、単に手を貸すのではなく、「どうすればその業務がなくても済むのか」「成果を出すための構造をどう変えるか」まで考えます。
つまり、目の前の課題を解決するだけでなく、仕組み自体を進化させる視点で仕事をしています。
こうした取り組みが広がっていけば、“がんばっている人がちゃんと報われる社会”が近づくと信じています。
それこそが、私たちが貢献すべき“社会課題”だと捉えています
経営の信念と事業の展望について伺います
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?また、その信念を事業運営にどう反映させていますか?事業の展望について、これから先の事業をどのように拡大・運営していきたいか教えてください
僕の経営の信念は「誠実であること」です。これは自分自身が社会人として経験してきた中で確信していることでもあります。
経営って、正解があるようでない世界です。迷うことは山ほどありますし、常に判断を求められます。そんなとき、僕は「どちらの選択肢が誠実か?」という軸で決断するようにしています。目先の利益や効率よりも、信頼や責任を大切にしたい。
また、「前年対比」ではなく「自分たちが立てた計画に対してどこまでやれたか」という視点で事業の成長を見ています。世の中の成長率に合わせて“なんとなく”目標を立てるのではなく、意志と根拠を持って自分たちの目標を設定し、その実行に集中する。社員にもそうあってほしいし、そういう文化を育てていきたいと思っています。

自分らしさを大切に、納得できる選択を。
このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
社会人になるって、何か特別なことではないと思っています。
もちろん責任も増えますが、自分の可能性がぐっと広がるチャンスでもある。だからこそ、最初から「正解」を探そうとせず、自分自身で“納得できる選択”をしてほしいんです。
「成長させてくれる会社に入りたい」という声をよく聞きます。でも、僕は“成長”は他人に与えてもらうものじゃなく、自分で掴みにいくものだと思っています。当社は、その“掴みにいく姿勢”を全力で応援する会社です。
自分がどうなりたいか、何をしたいか。すぐに見つからなくても構いません。
ただ、「自分らしさ」を大切にしながら、一歩踏み出してみてください。
一緒に働ける日を、楽しみにしています。
