負けず嫌いが原動力。挑戦の積み重ねが社長への道を切り拓いた
どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください 
── 出身地はどちらですか?ご家族はどんな方々でしたか?幼少期の想い出を教えてください
出身は愛媛県で、中学までずっとそこで過ごしました。
小さい頃からサッカーに熱中していて、小・中・高校とずっと続けていました。
ポジションはキーパーだったのですが、試合に出られるのは一人だけ。実力がはっきりと表れるポジションだったので、「絶対に負けたくない」という気持ちは人一倍強かったですね。同級生に県の選抜にも選ばれるような優秀なキーパーがいて、試合に出られるのが自分か相手かという競争が常にありました。
その環境が負けず嫌いな性格をさらに育ててくれたと思います。家族はごく一般的なサラリーマン家庭でしたが、特別なきっかけというより「気づけば夢中になっていた」という感覚でサッカーを続けていました。今でもその時に培った負けず嫌いな精神は自分の大きな原動力になっています。
学生時代について詳しくお聞かせください 
── 学生時代はどのように過ごしていましたか?学生時代の想い出を教えてください
学生時代はサッカーを中心に、興味を持ったことは空手やサーフィンなど、いろいろ挑戦してきました。部活動という形ではなく、自分がやりたいと思ったことに飛び込むタイプだったと思います。
就職については、いわゆる就職活動をしっかりやった記憶はなくて、地元でのつながりから紹介してもらった仕事に就いた、というのが最初のキャリアでした。本当は「もっと大きな街で働きたい」という気持ちが強かったのですが、当時は高校を出てすぐに子どもがいたこともあり、生活のために「とりあえずやらなきゃ」という感覚で仕事を選んでいたのが正直なところです。現場仕事やトラックの運転手などを経験しましたが、それは「自分の意思で選んだ」というよりも、「やらざるを得なかった」という側面が大きかったですね。
社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います 
── 初めて就職したきっかけや、その職場での経験を教えてください。また、会社を立ち上げることに対して、準備など取り組んだことを教えてください
高校卒業後は現場仕事やトラックの運転手を経験しました。大型トラックで全国各地に行きましたが、「このまま50歳になっても続けている自分は想像できない」「もっと大きなことをやりたい」という気持ちは常に持っていました。現場で働きながらも「親方はどうやって仕事を取っているんだろう」「トラックを1台持つとどれくらい稼げるんだろう」と、自然と経営目線で物事を考えていたんです。
そんな時に、不動産会社の若い社長の本を読んだことが大きな転機になりました。20代後半で独立して成功していく姿に強く憧れ、「自分も挑戦してみたい」と思ったんです。そこから会社を立ち上げることを大前提に考えるようになり、とにかく営業の現場で死ぬほど働いて経験を積みました。それが最大の準備だったと思います。
経歴としては、地元でトラックの運転を2年ほど、その後不動産会社で5年働き、30歳で独立しました。その前には金融会社にも勤めましたが、買収によって会社がなくなり、わずか1年ほどで退職することになった経験もあります。紆余曲折を経ながらも、「いつか自分の会社を持つ」という想いだけはずっと変わりませんでした。
「売って終わり」ではなく、一生涯寄り添う“人生のパートナー”へ。
企業名に込めた想い・由来を教えてください
社名に「リアル」と入れたのは、不動産業の「リアルエステート(Real Estate)」に由来しています。
また「パートナーズ」と加えたのには理由があります。不動産は一度契約して家を引き渡せば、その後長くお客様と関わる機会は少ない業種です。しかし、私たちは創業当初からファイナンシャルプランニング事業にも取り組んでおり、不動産とお金の両面をワンストップで提供していくことで、お客様の人生に長く寄り添える存在になりたいと考えていました。
住まいは一度の購入で終わりではなく、その後の暮らしや将来設計とも深くつながっています。だからこそ、一過性の関係ではなく「人生のパートナー」として並走していける会社にしたい。その想いを込めて「リアルパートナーズ」という社名を決めてスタートしました。
事業を始めるきっかけについて教えてください 
── この事業を手がけることになったきっかけや経緯はどのようなものですか?また、この事業を通じて、最初に「実現したい」と思ったことは何ですか?
会社を立ち上げたときにまず実現したいと思ったのは、「お客様の生活にしっかりとコミットできる会社をつくりたい」ということでした。家は単なるモノではなく、そこでの暮らしを支える基盤です。だからこそ、購入後の生活まで具体的にイメージできる住まいを提供したいと考えていました。
そのために大切にしているのが、不動産の提供だけでなくファイナンシャルプランニングの視点です。お客様の年齢や家族構成、将来の収入や支出の変化を見据え、30歳から80歳、さらにその先までを想定した資金計画を立てます。その上で「この家で理想の人生を実現できるのか」「予算を上げたり下げたりしたらどう変わるのか」といったシミュレーションを行い、納得感のある選択をしていただくことを大事にしています。
家を買うことがゴールではなく、その先の人生を豊かにしていくための一歩になる。不動産の選び方や向き合い方を、そんな当たり前のものとして広げたい── その想いで事業をスタートしました。
事業に込めた想いについて教えてください 
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
家は人生の中でも大きな買い物であり、お客様の理想や将来を実現するための大切なツールだと思っています。ただ不動産業界には「売って終わり」という側面が強く、テレビなどでも「怖い」「嘘をつく」というイメージが根強くあります。だからこそ、私たちは信頼性の高い業界に近づける存在になりたいと考えています。
具体的な取り組みとしては、不動産仲介とファイナンシャルプランニングをワンストップで提供し、お客様の暮らしと将来をトータルで支える仕組みを整えています。また、社内教育にも力を入れており、「嘘をつかない」「お客様を上から目線で見ない」という当たり前を徹底する文化があります。例えば、社内では「客」という呼び方を禁止し、必ず「お客様」と呼ぶようにしています。小さなことですが、そうした積み重ねが信頼につながると信じています。
こうした取り組みはお客様にも伝わっており、Googleの口コミでも高い評価をいただいています。教育やサービス品質に力を注いでいる成果が、信頼や評価として返ってきているのだと思います。これからも「お客様の人生に真摯に寄り添う会社」であり続けたいですね。

誠実に積み重ねる力が、未来を動かす原動力になる
趣味・特技について伺います 
── 趣味や特技に関してのエピソードがあれば教えてください。また、趣味や特技が仕事に活かされているなと感じたことはありますか?
サッカーは社会人になってからは本格的にやっているわけではなくて、業界のフットサルチームに顔を出す程度なんです。サーフィンは今でも続けていますし、バイクは複数台持っていて毎月どこかしら走りに行っていますね。
スポーツにはそれぞれ通じるものがありますが、特にバイクはに大きな影響を与えてくれた思っています。高校時代、地元を離れて愛知県の高校に通っていたんですが、地元四国から10時間かけて高校の寮までバイクで行っていました。友達と一緒に走ったり、いろんな街並みを見たりする中で、行動範囲が一気に広がったんです。高校生にとってはそれが大きな経験値になりましたし、地元だけでは得られない視点や知見を与えてくれました。やっぱり“外の世界を知る”というのは大切だと思います。横浜のような大きな街を目にした時も、当時の経験があったからこそ自然に視野を広げられたのかもしれません。
経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください 
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
自分の中では、人との関わり方はできるだけフラットにしているつもりです。立場や人によって接し方を変えるのはあまり好きではないので、誰かがうまくいっていないときも、その人が悪いのではなく取り組み方や姿勢に原因があるのではないかと考えるようにしています。
同じ結果でも見方を変えれば全く違う評価になりますからね。私自身ストレートな性格なので、やり方が違うと思えばはっきり伝えますが、それは改善のためであって、個人を否定することはありません。社員との普段の関わりもフランクで、年代が近いこともあって自然と仲良くやれています。
また、社内では毎年「手作りのアワード」を開催しています。営業目標の達成だけでなく、普段の評価指標では見えにくい努力や成果を掘り起こして表彰するイベントです。会場を押さえるところから運営まで全て自分たちで行い、例えばオリンピックをテーマにして表彰式をつくり上げたこともあります。
営業だけでなく内勤メンバーも主体的に関わって準備を進めるので、全員で会社の文化を育てている実感があります。
余談ですが最近流行りのMBTIはENFJ(主人公)です。
ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います 
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?また、特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
自分自身の趣味から派生した商品として、今「バイクのガレージハウス」を手がけています。
まさに趣味に振り切った企画ですが、バイクを愛する人の目線でつくった建物です。
駐輪場が遠かったり、防犯面に不安があってバイクを買えない方もいますし、目の届く場所に置きたいという声はとても多いんです。
ありそうでなかった領域だからこそ、趣味と仕事が重なって形になったと感じています。
社内の部分だと当社の評価軸は「売上」だけでなく「件数」も重視しています。エリアによって単価の高低はありますが、どんなに金額が小さくても、お客様にとっては一生に一度の大きな買い物であることに変わりはありません。その信用を勝ち得た件数を評価するのは、誰にでもチャンスがあり、お客様に真摯に向き合える文化をつくるためでもあります。
成果について特別に「自分だけが成し遂げた」というものはないですが、社員全員でじわじわと大きなものを動かしている実感があります。小手先の営業トークやごまかしで進めるのではなく、誠実に積み重ねていく。それを徹底しているのがうちの強みであり、まじめに取り組む姿勢こそが会社全体の力になっていると感じています。
不動産の常識を変える、“かっこ悪くない”挑戦を続ける
これから先の会社としての成長について伺います 
── いま、会社を経営するにあたって難しいと感じている課題など「壁」はありますか?また、会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
当社は不動産仲介を事業の軸に据えています。ガレージハウスのプロデュースやマンションの取り扱いなど、実際の商品提供も進めていますが、根本にあるのは「買いたい人・売りたい人の悩みを解決する」仲介の仕事です。その中心をぶらさずに、事業を広げていきたいと考えています。
今後は神奈川エリアをはじめ、全国に店舗展開を進め、日本中のお客様の夢の実現に貢献できる会社に成長させていきたいと思っています。
具体的には、2027年に社員70名体制をつくり、東京プロマーケットへの上場を目指しています。
そこに向けて課題となるのは、人材不足や物価上昇といった社会全体の問題もありますが、最大のポイントは「組織を拡大しながらも人を育て上げる力」を持つことだと考えています。単に優秀な人材に依存するのではなく、自社の教育力で人を伸ばしていける体制を築くことが不可欠なため、当社では独自に作成した営業マニュアルや、社内トレーニングプログラム「BTP」を運用しています。あえて持ち運びやすい様に100ページ以下で制作したマニュアルには、当社ならではのこだわりを盛り込み、実務に即した形で活用しています。今後はさらにブラッシュアップを重ね、社員一人ひとりが成長できる教育体制を整えていきたいと考えています。
これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います 
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
私自身、営業の仕事とは「お客様の悩みを解決すること」だと考えています。特に住宅に関しては、購入に際して不安や課題も多い一方で、買う方にとっては夢が詰まった大きな決断でもあります。その夢を実現できる確率を高め、当たり前のように実現へと導くことこそが、私たちにとっての最大の社会課題だと捉えています。
最近はSDGsへの取り組みを求められることも多いですが、正直に言えば少し苦手意識があります。どうしても「きれいごと」のように聞こえてしまう部分があるからです。とはいえ、私たちが住宅という一生に一度の大きな夢を形にするサポートをしていること自体が、持続可能な社会に直結する本質的な取り組みだと考えています。お客様が安心して家を持ち、人生を豊かにできるようにすることが、私たちの一番の使命であり、社会的意義でもあるのです。
経営の信念と事業の展望について伺います 
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?また、その信念を事業運営にどう反映させていますか?
本当にシンプルで「かっこ悪いことはしない、人のためにならないことはしない」という信念を大切にしています。私たちのビジネスは、家を購入いただいた後もお客様にご満足いただけるものでなければならないと考えています。特に不動産業界は、どうしてもよくないイメージを持たれがちですが、その風潮を変えていくことも私たちの使命だと思っています。
その想いは教育面にも反映されています。表面的な知識や小手先のテクニックではなく、本当にお客様の役に立つ技術や考え方をしっかりと身につけてもらうことが必要です。だからこそ、社員一人ひとりに本質的なスキルを学び取ってほしいと考えています。

欲張りでわがままに、人生を選び本当に欲しいものをつかめ。
このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
一緒に働きたいのは、真摯に物事へ取り組める人、そしてまじめに努力できる人です。理想や目標を持ち、それに向かって行動できる人と共に仕事をしたいと思っています。目標を持つことで、人は必ず成長し、動き続けられるものだからです。
営業という仕事は、AIには代替できない「人の気持ちを推し量る力」や「悩みを正しくキャッチする力」が求められます。お客様に真剣に向き合い、正々堂々と接することでしか得られない営業力があり、それは人生を生き抜く大きな武器になります。
私自身、かつては社長になりたいという強い欲を持ち、その原動力でここまで来ました。20代前半は周囲と比べて焦ることもありましたが、結局は「死ぬほど仕事をしたい」という想いが自分を突き動かしてきたのです。
だからこそ、皆さんにも欲張りでわがままに、自分の人生を選んでほしいと思います。欲がなければ原動力になりませんし、「自分には無理かも」と思った時点で可能性は閉じてしまいます。どんな人間になりたいのか、どんな価値を大切にしたいのかを考えることが、人生の答えを明確にしていきます。せっかくの人生なのだから、自分の気持ちに正直になって、本当に欲しいものをつかみ取ってください。
