業界:インフラ・エネルギー・資源
代表取締役社長
小川 明宏
取り組む社会課題
公平な人事考課制度を確立し、社内研修や資格取得支援を通じて個々の成長を評価・支援する体制を構築する。
事業内容 サービスステーションの運営
社長になる
きっかけ
大学卒業後、自然な流れの中で家業である会社に入社しました。当時はまだ「社長になる」という強い意識はなく、まずは現場を知ることからのスタート。… 続きを見る
出身地 埼玉県桶川市
出身校 獨協大学
趣味特技 ドライブ, 読書, 音楽鑑賞
生年月日 08/26
小川 明宏イメージ

20秒メッセージ


完璧よりも、“この会社、悪くないかも”を大切に
目次

地元で育ち、社会に育てられた

どんな幼少期・学生時代を過ごしたか教えてください
── 出身地はどちらですか?出身地に関するエピソードや幼少期の想い出を教えてください
私は埼玉県桶川市で生まれ育ちました。桶川は昔ながらの宿場町で、特に夏の祭りには屋台が立ち並び、地域全体が賑わうような風情のある街です。子どもの頃は、空き地や裏山で泥だらけになって遊ぶ毎日。今思えば、自然の中で五感を使って遊んだ体験が、今の私の柔軟な発想や現場感覚につながっているかもしれません。遊びの中でも上下関係や礼儀、集団行動のルールを学び、今の自分の基礎ができあがったと感じています。家族との時間も多く、地域の人々との距離も近い環境で育ったことが、自分の中の「地元愛」や「人とのつながりの大切さ」を形成してくれました。

学生時代について詳しくお聞かせください
── 学生時代はどのように過ごしていましたか?学生時代の想い出を教えてください
学生時代は、越谷や草加といった地元から少し離れた学校に通っていたため、毎日の通学に長い時間を費やしました。その通学時間のなかで、街の風景や人々の営みに目を向けるようになり、自然と世の中への関心が育まれていった気がします。また、高校時代からはアルバイトにも励みました。精肉店やミスタードーナツ、ガソリンスタンドなど多様な業種を経験することで、社会の仕組みやお金の重み、人間関係の難しさと面白さを学びました。テレビドラマの影響で教師に憧れたこともありますが、人生の選択肢はひとつではないと気づいたのもこの時期でした。小さな経験の積み重ねが、今の自分をつくっているのだと実感しています。

社長になるまでのきっかけやキャリアについて伺います
── 会社を任されることになった背景や、その時の気持ちを教えてください
大学卒業後、自然な流れの中で家業である会社に入社しました。当時はまだ「社長になる」という強い意識はなく、まずは現場を知ることからのスタート。最初の配属は直営のガソリンスタンドで、接客や売上管理、現場運営などあらゆる業務に携わりました。そこから課長、支店長、部長、そして総務部長と段階的にキャリアを重ね、今の経営の立場に至ります。現場からのたたき上げの経験は、今でも私の経営判断の土台になっており、机上の空論ではなく、実感に基づいた意思決定ができていると自負しています。この道のりで得たのは、人との関係性の築き方と、地道に積み重ねる努力の大切さです。

老舗に新風、地域と未来をつなぐ

企業名に込めた想い・由来を教えてください
「関東菱油」という社名には、創業当時の背景が色濃く表れています。三菱石油の特約販売店として、関東エリアで石油製品を広く供給しようという志を込めて命名されたと聞いています。長年の信頼と実績の積み重ねにより、地域のお客様には「関東菱油さん」として一定の認知をいただいています。企業名は単なる呼び名ではなく、歴史とともに育まれたブランドです。名に恥じぬ誠実な商売をこれからも貫きたいと思っています。そしてこの名が、石油だけでなく地域全体に役立つ企業として、さらに広く親しまれるようになっていくことを願っています。

事業を始めるきっかけについて教えてください
── 継承時に「変えたくないこと」と「新たに取り組みたかったこと」は何ですか?
石油販売に長年注力してきた当社ですが、私が社長に就任してからは、新たな事業展開にも挑戦したいという思いが強くなりました。特に「ベンリー」と称する生活支援型のサービス事業は、社内にあった構想を本格化させたものです。これは私一人のアイデアではなく、社員の声や地域ニーズの高まりを受けて実現に至ったものです。世の中の変化が早くなる中で、石油だけに頼った事業モデルでは限界があると感じていました。だからこそ、多様な顧客ニーズに応えられる体制を築きたいという気持ちが、この新規事業への大きな原動力となりました。

事業に込めた想いについて教えてください
── この事業を通じて、どのような想いを世の中に届けたいと考えていますか?
私たちは単に「商品を売る会社」ではなく、地域のお客様の暮らしを支える存在でありたいと考えています。石油販売に加え、生活インフラや利便性を提供する新規事業「ベンリー」は、まさにその思いを具現化する試みです。社員には、より広い視野と柔軟な発想を持ってもらいたいと思っており、それが会社の成長にもつながると信じています。目指すのは、「ガソリンスタンドの関東菱油さん」から「生活のパートナーとしての関東菱油さん」への進化です。お客様から「関東菱油さんがあってよかった」と言っていただけるような企業であり続けたい。それが私たちの事業に込めた想いです。

制度の見直しが変革を進める

趣味・特技について伺います
── 趣味や特技に関してのエピソードがあれば教えてください
学生時代はスキーやバーベキュー、海水浴といったアウトドアを楽しんでいました。最近は健康維持のためにスポーツジムに通っており、健康志向も強くなっています。バイクに乗ったり、バドミントンの同好会をやったりと、新しいことへの興味は尽きません。誘われれば断らずに何でも挑戦する性格なので、キャンプやスノーボードも経験があります。あまり「これが趣味です」と言えるものは少ないですが、人と何かを一緒に楽しむことが好きで、広く浅くでも様々な体験をしてきたことが、今の自分を形づくっていると感じます。

経営者としての「自分らしさ」についてお聞かせください
── ご自身の強みや個性について、どのように捉えていますか?また、その強みを活かして、どのように事業や経営に反映させていますか?
正直に言えば、自分は怠け者だと思っています。できれば楽をしたい、という本音もあります。でもその反面、楽をするためには工夫や努力が必要だということも理解しています。新しいもの好きで、何かと挑戦したがる一方で、飽きっぽいところもある。周囲からは短気だと言われることもありますが、人と接することに抵抗はなく、素直に向き合う性格だと思っています。人見知りな面もありますが、いったん関係ができれば、深く丁寧に接することができる。そうした“二面性”が、自分らしさでもあり、経営者としての武器だと思っています。

ご自身の経営者としての強みを活かした具体的な取り組みについて伺います
── 「これは自分だからこそできた」と思える取り組みや成果はありますか?特にこだわっている商品やサービス、または社内の文化などがあれば教えてください
社長に就任してからは、「ベンリー」事業の立ち上げや、評価制度の再構築に取り組んできました。従来の評価制度では社員の努力や成果が見えづらく、不満の声も多かったため、より透明で納得感のある仕組みを目指しています。また、自分自身が現場に足を運び、社員の声を直接聞くことを大切にしています。トップダウンだけでなく、ボトムアップの意見も尊重しながら進めることが、変革を進める上での重要なポイントだと思っています。経営者である前に、1人の“チームの一員”として動き続ける姿勢が、自分の強みです。

人を活かして、未来を創る

これから先の会社としての成長について伺います
── 会社の規模・成長率について、どのように会社を大きくしていきたいですか
既存のガソリンスタンド事業は、これまで培ってきた信頼と実績をベースに、今後も維持・継続していきます。一方で、新規事業「ベンリー」については、現在1店舗からスタートし、将来的には2店舗、3店舗と拡大していく予定です。ただし、事業の成長は人材なくしては成り立ちません。新規事業の価値や魅力がまだ社内外に伝わり切っていない部分もあるため、まずは正しく理解されることが第一。その上で適性ある人材を配置し、丁寧に育てながら拡大を図っていきたいと考えています。数や売上だけではなく、「人が活きる組織」を土台にした成長が理想です。

これから先に取り組みたい社会貢献・社会課題解決の取り組みについて伺います
── 事業を通じてこれから先どのように貢献・社会課題に向き合っていきたいとお考えか教えてください
今後の社会課題として注目しているのが、少子高齢化と人手不足です。若い人材だけに頼るのではなく、ベテラン人材や外国人労働者の活用も視野に入れています。同時に、AIや自動化に任せすぎるのではなく、人の手と心が介在するサービスの価値を大事にしたいと考えています。また、地域への恩返しとして、子ども食堂の運営や福祉的な支援にも関心があります。会社として余力が出てきたタイミングで、そうした活動にも本格的に取り組んでいきたい。将来的には「関東菱油さんがあって助かった」と言ってもらえるような、地域に根ざした企業を目指しています。

経営の信念と事業の展望について伺います
── 経営者として「経営をする上でこれは絶対に譲れない」と思う信念や価値観はありますか?その信念を事業運営にどう反映させていますか?
私が経営する上で最も大切にしているのは、「人を裏切らない」という信念です。コンプライアンスやハラスメントに対する社会の目が厳しくなる中で、会社として、そして個人としての誠実な行動がより一層求められています。どんな役職であっても、自らを律する姿勢が問われる時代です。だからこそトップが率先して行動し、それが社員一人ひとりに波及していくことが理想です。また、「明るい職場と楽しい家庭を両立する」という理念を重視しており、仕事だけでなく人生全体が充実することが、結果的に良い仕事につながると信じています。

「完璧な会社を探さなくてもいい」

このインタビューを読んでいただいた学生さんへのメッセージをお願いします
就職活動中の皆さんに伝えたいのは、「完璧な会社を探さなくてもいい」ということです。私自身も、学生時代に何をやりたいか明確ではありませんでした。ただ、会社に入ってから見えてくる景色もたくさんあります。大切なのは、実際に見て、聞いて、触れてみること。そしてその中で「この会社、悪くないな」と思えたなら、まずは飛び込んでみること。関東菱油は、地元埼玉に根ざし、誠実な社員が多く、温かい社風があります。素直で真面目な方、ぜひ一緒に働きましょう。あなたの挑戦を、私たちは全力で応援します。